精神の障害

精神の障害の共通事項

  • 人格障害は原則として認定の対象外である

  • 神経症は原則として対象外だが、精神病の病態を示しているものは統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱いされる

  • 精神疾患が併存している時は併合(加重)認定は行わず総合的に判断して認定される

  • 障害等級の目安(ガイドライン)として診断書の項番⑩ウの2「日常能力の判定」と3「日常生活能力の程度」を下図のマトリクスが参考とされる

程度/
判定平均
3.5以上

1級 1級またh2級
3.0以上3.5未満 1級又は2級 2級 2級
2.5以上3.0未満 2級 2級又は3級
2.0以上2.5未満 2級 2級又は3級 3級又は3級非該当
1.5以上2.0未満 3級 3級又は3級非該当
1.5未満

3級非該当 3級非該当

統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害

  • 1級  ・高度の残遺状態又は高度の症状があるため高度の人格変化思考障  害、妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの

  • 2級  ・残遺状態又は症状があるため人格変化、思考障害、妄想・幻覚等の異  常体験があるため日常生活が著しい制限を受けるもの

  • 3級  ・残遺状態又は症状があり、人格変化は著しくないが、思考障害、妄想・幻覚等の異常体験があり、労働に制限を受けるもの
   
   統合失調症の症状……陽性症状…妄想・幻覚、思考障害
             陰性症状…自閉(引きこもり)、感情の平板化
                  (感情の鈍化)意欲の減退、思考の貧困
             認知機能障害…記憶力の低下、注意・集中力の低下、
                    判断力の低下

   残遺状態……陽性症状は消滅あるいは軽減しているが、陰性症状がある状態


気分(感情)障害

  • 1級……高度の気分、意欲、行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつこれが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため常時の援助が必要なもの

  • 2級……気分、意欲、行動の障害及び思考障害の病相期があり、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの

  • 3級……気分、意欲、行動のの障害及び思考障害の病相期があり、その症状は著しくはないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働が制限を受けるもの
 
 労働に従事している者については、療養状況仕事の種類内容就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを判断材料とする

症状性を含む器質性精神障害

対象……高次脳機能障害、先天異常、頭部外傷、変性疾患、中枢神経等の器質障害を原因として生じる精神障害、膠原病や内分泌疾患を含む全身疾患を原因とした精神疾患、アルコール、薬物等の使用による精神疾患など

  • 1級……高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの

  • 2級……認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの

  • 3級……認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの

  • 障害手当金……認知障害のため、労働に制限を受けるもの

てんかん

てんかんは発作の内容により等級が例示されている
  • 1級……てんかん性発作の「A」又は「B」月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの

  • 2級……てんかん性発作の「A」又は「B」年に2回以上、もしくは、「C」又は「D」月1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの

  • 3級……てんかん性発作の「A」又は「B」年に2回未満、もしくは、「C」又は「D」月1回未満あり、かつ、労働活が制限を受けるもの
発作のタイプ  
 A……意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
 B……意識障害の有無を問わず、転倒する発作
 C……意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
 D……意識障害はないが、随意運動が失われる発作


ポイント……てんかん発作が薬の服用や外科的治療で抑制されている場合は、原則として認定の対象外となる

知的障害

  • 1級……知的障害があり、食事や身のまわりのことを行なうのに全面的な援助が必要であり、かつ会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの

  • 2級……知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的ば行為を行なうのに援助が必要であり、かつ会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの

  • 3級……知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの

(参考)
知的障害の療育手帳の重度別区分及び障害年金の等級とIQレベルの関係

知的障害(障害年金 IQレベル 下限 上限
軽度(2~3級) 50~55 70
中等度(2級) 35~40 50~55
重度(1~2級) 20~25 35=40
最重度(1級) 20~25

上記の表はあくまで目安であり、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度や社会的な適応性の程度を勘案して、総合的に判断される

(軽度知的障害)……就学までは気づかれにくく、成人期までにおよそ小学校高学年程度の知能を身につける。成人後は適切な支援を受けて生活し、家族を持つことや、簡単な仕事に就くことは出来る。

(中等度知的障害)……言語や運動の発達は遅れるが、殆どが言語を習得し、充分コミュニケーションをとれる。学力は最終的に小学校2~3年程度になる。成人期は社会的・職業的支援が必要で、適切な監督下で難しくない仕事が出来る。

(重度知的障害)……3~6歳の知能に発達し、簡単な会話が可能となる。訓練により自分の身のまわりのことが出来る。成人期には、決まった行動や、簡単場な切り返しがぁ脳であり、常に監督や保護が必要である。

(最重度知的障害)…………知能は3歳未満、言葉によるコミュニケーションは困難だが、喜怒哀楽の表現が可能で見慣れた人は覚えている。運動機能の遅れがあり歩行も困難であることも多い。常に援助と世話が必要である。

発達障害

発達障害の傷病例……自閉症・アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害・学習障害・注意欠陥多動性障害など

発達障害の初診日は知的障害を伴わない場合で、初めて受診したひが20才以降の時は当該受診日を初診日とする

ただし病歴就労状況等申立書は、出生日より記載する

知能指数が高くても社会行動コミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないため、日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定される

  • 1級……発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの

  • 2級……発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの

  • 3級……発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ社会活動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの

不適応行動とは
  • 自分の身体を傷つける行為
  • 他人や物に危害を及ぼす行為
  • 周囲の人に恐怖や強い不安を与える行為(迷惑行為や突発的な外出など)
  • 著しいパニックや興奮、こだわり等の不安定な行動(自分でコントロールできない行為で、頻発して日常生活に支障が生じるもの)

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